ひな祭りの色は何色?
ひな祭りで、赤い色を思い浮かべるのはなぜでしょう。お雛様の着物?
それよりも、あの敷物でしょう。朱色がかった赤色。緋色、スカーレット、とにかくなんとも言えない赤色。
お雛様たちが座っているのは、緋毛氈と呼ばれる
今でいうフェルトを緋色に染め上げたもの。
ところで赤、緋色はとっても高級な色であると
知っていましたか?
古来から紫は、庶民に使用が許されないような高貴な色。聖徳太子の頃から最上位の色です。
赤は、その次に位置する色です。
赤色は、日本では茜や蘇芳といった植物から取り出される植物染料ですが、鮮やかさを定着させるのは、難しく、特に蘇芳は、琉球貿易でしか手に入らない貴重な原料でした。
ヨーロッパで主流なのは、カイガラムシ、エンジムシと言われる虫からとった染料です。
これは今でも、化学染料以外では、主流を占めていて、コチニールと表記されているものです。
しかし、永遠に鮮やかな赤、というのは
今の時代にも難しいものです。
2018年には、生産国での環境規制が強まり、
化学染料の赤の供給量が減っているという事が話題になりました。
おひなさまの赤、主に茜で染め上げた赤い布を
一年に一度の飾りに、敷物として使う事は実はとてもとても贅沢な事なのです。